以前今月末でソウルの老舗の映画館の一つで私も愛用していたソウル劇場がコロナ禍の営業悪化もあり門を閉めることになったという話題をお伝えしましたが、それに関連した記事を発見したので、翻訳してご紹介したいと思います ＊＊＊＊＊＊＊＊＊以下、記事翻訳＊＊＊＊＊＊＊＊　少し前、ソウル劇場…… more がコロナ１９長期感染拡大により経営難悪化を理由に2021年8月31日を最後に営業を終了するという消息を聞いた。正直驚かなかった。私に大きくて小さい思い出を残したタンソンサ、明宝劇所、スカラ劇所、ドリームシネマ（旧ファヤン劇場）、国土劇場、中央シネマ、コリアアートホール、ドンスンシネマテック、ハイパテックナダのような劇場がすでに門を閉めた。　70mm上演館を誇った大韓劇場と韓国映画人たちのハンドプリンティングとサインを設置した「スターの広場」が位置するピカデリーが違う姿に変わったことも目撃した。一時代が過ぎ去っていく消息を堂々と受け止めてきたが、心の一片がさみしいことも事実だ。ソウル劇場は私が特別な思い出を残す場所であるからだ。 「The Killer」の記憶「The Killer」(1989)は、私がソウル劇場で観た最初の映画だ。当時蚕室に住んでいた中学生だった私は「The Killer」を見たいあまり、公開日の1989年7月29日土曜日（この頃には土曜日に映画が公開した）に生まれて初めて一人鐘路に向かった。　新聞に載った映画広告を通して、名前だけ知っていたソウル市内の10大公開館（ソウル劇場、タンソンサ、ピカデリー、ハリウッド劇場、スカラ、明宝劇場、国土劇所、大韓劇場、中央劇所、国際劇場）の中の一つであったソウル劇場に行くため、地下鉄ソンネ駅（現在の蚕室ナル駅）から出発して乙支路３街駅を経て鐘路3街駅に到する旅情は私には冒険の他にならなかった。　ソウル劇場の前のイカ、カワハギの干物、ピーナツを売る人々の前を通ってチケット売り場の前にたどり着いたが、難関は終わらなかった。「The Killer]が「高校生観覧可」だったので、劇場職員にバレないかドキドキして大人の間の列に並んだ。無事に午前10時20分初回チケットを購入した後、映画館に入ったらすぐ「The Killer」の初シーンを見た瞬間の感動と興奮は30年過ぎた今も忘れることがない。これが映画の感動なのか、初めて一人で鐘路に来たというトキメキなのか、いまだにわからない。「The Killer」はソウル劇所で「ソウルシネマタウン」に変わった次に掲げた開館特選プログラムだった。ソウル劇場は1958年クク・クェナム　が率いた世紀商事が建てた世紀劇場を前身とする。1978年合同映画会社のクァク・ジョンファン会長は自身が制作した映画を安定的に上映する容量で世紀劇場を買収し、ソウル劇場に名前を変えて営業を始めた。　以後1989年70mm映画を上映することができる1200席規模の上映館2つ（1館カンヌ、2館アカデミー）と600席規模の上映館1つ（3館ベニス）で構成された国内最初の複合上映館「ソウルシネマタウン」に再構築して、会館特選プログラムとして映画「ミスコンプルソ、ミスターコランド」（1989）、ハリウッド映画「メジャーリーグ」（1989）、香港映画「The Killer」を掲げた。　タンソンサ、ピカデリー、ソウル劇場が集まる韓国劇場産業の中心地の香港ノアール映画を上映したというのは、当時韓国の文化的変化を読むことが出来るくだりだ。韓国の代表映画館であるソウル劇場が「The Killer」を上映することで、ソウルの10大公開館に入らなかったファヤン劇場、ミョンファ劇場、テジ劇場で公開した「The Killer」（1986）と「英雄本色2」（1987）、街はずれの再上演館、同時上演作であった「仙女幽魂」（1987)で代表される香港映画シンドロームは堂々と主流文化に達した。「The Killer」はソウルで25万人の観客を動員して外貨ヒット順位7位に上がる気炎を吐いた。　1990年11月24日公開した「愛と魂」はソウルの4つの公開館で150万人を動員する大ヒットを記録した。私が劇場に観に行く前にTVとラジオでは映画のテーマ曲「アンチェインドメロディー」が休みなく再生されている中だった。遅れてソウル劇場で「愛と魂」を見て涙を流したことを思い出した。　当時週刊誌に載った「愛と魂」広告に「UIP映画」と書かれていた。1985年韓国映画市場に対して、解放を要求する韓美映画協賛が妥結されて1986年映画法改正を経てアメリカ映画直配（直配：配給権によって生産者または販売店から直接消費者に配給する）許容を中心にした後続措置が続くと1988年ハリウッドメジャー映画社ユナイテッドアーティスト、ユニバーサル、パラマウント、MGMが海外配給のため共同で設立した多国籍企業UIP(United International Pictures)が国内直配上映に乗り出した。最初のUIP映画は1988年9月28日ソウルのシンヨン劇場とコリア劇場を含んだ全国10余りの映画館で公開した「危険な情事」（1987）だ。　UIP直配に合わせ、多数の映画人が直配措置のため、反対デモを繰り広げるなど、強力な団体行動に出た。劇場主たちは様子をうかがう状況で共同映画社のクァク・ジョンファン会長は自身が所有する複合上映館ソウルシネマタウンに直配映画「愛と魂」の上映を強行し、韓国映画産業に地殻変動を起こした。　ハン・サンオン映画研究所のハン・サンオン代表は論文「ソウルシネマタウン研究」で1990年代ソウルシネマタウンのハリウッド直配映画上映が起こした変化を「人気あるハリウッド映画を持続的に上映しながら影響力を獲得しただけではなく、これを通して稼いだ収益で地方劇場をソウルシネマタウンの影響力の下に繰り入れることが出来た。これは全国的な配給網の設立として現れた」と診断した。　以後2000年代初盤までクァク・ジョンファン会長の力がすごかった。2004年「シネ21」はクァク・ジョンファン会長を「「シネ21」が選定する韓国映画産業パワー50に9年連続、上位圏にリンク」して「20数年前ソウル劇場を作って以後配給・劇場業界で大きなもてなしを受けてきた」人物と評価した。　私が「The killer」と「愛と魂」以降ソウル劇場に対して個人的な思い出はないようである。チャムシルロッテワールドに映画館があってそこによく行って家の近所に位置する再公開館と同時助演館を行き来するせいだ。映画館環境が急速に変わったことも原因だ。　1998年ＣＪが江辺駅に位置するテーマパーク内に本格的にマルチコンプレックス映画館ＣＧＶ江辺11を開館しドンヤングループが2000年サムソン洞コエックスメガボックス1号店が門を開いて映画産業は単館中心から大企業中心のマルチコンプレックス映画館に急速に再編された。『過去』になってしまったソウル10大公開館 　映画産業の中心が変わってソウルの10大公開館は国際劇場（1992年）、国土劇場（1999年）、スカラ劇場（2005年）、タンソンサ（2008年）、明宝劇場（2008年）、中央劇場（2010年）順に一つ、二つと消えていった。大韓劇場とピカデリーは単館を補修してその場所に複合上演館を建てた。ハリウッド劇場はシルバー映画館に変わった。もはやソウル10大公開館は写真でしか見られない「過去」になった。　以前には鐘路の文化を象徴する名所としてソウル劇場、鍾路書籍、ミュージックランドが有名だった。しかし鍾路書籍は2002年、ミュージックランドは2004年に廃業した。ソウル劇場が2021年8月にハイギョする予定だ。鍾路書籍、ミュージックランド、ソウル劇場の没落は出版産業、音盤産業、映画産業の変化を意味する。収益が残らなったので消えたということだ。　一方で多くの人々の人生に大切な思い出を残したこのような空間が一つも残すことができないという現実がもどかしい。ソウル劇場は未来遺産として残す方法はないのだろうか。ソウル市、映画振興委員会、文化体育観光部、国会文化体育観光委員会が頭脳を集めて保存のため実質的な制度的処置を準備しようとするのを望む。　1千万人が住む誇大な都市で時間を耐えて力強く場所を守ってきた劇場一つくらいはあって当然だ。空間の記憶を資本と開発の論理でむやみに打ち砕く失敗をこれ以上引き起こしてはならない。私たちはすでにとても多くの思い出を失った。＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊以上、翻訳終わり＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　タンソンサ、明宝劇場、中央劇場とソウル劇場は韓国映画を観に行ったことがある映画館で、私も思い出があります。タンソンサと明宝劇場は今も建物は残っています。　ソウル劇場がどうなるのか・・・。次に韓国に行ける頃には新しい姿になっているのでしょうか？映画を観に行けないまま閉館してしまうのが残念でなりません・・・ close

ソウル劇場廃館の便り、30年前その場面が思い浮かんだ